映画「サウロの息子」を観た。
強制収容所で、ユダヤ人が、ユダヤ人を殺すための準備をして、殺したあとを片づけて、時が来たら自分もユダヤ人なので殺される。
強制収容所内での特殊な仕事を請け負わされていたユダヤ人の集団ゾンダーコマンド。
ゾンダーコマンドの1人、サウロの目線の側に常にカメラはおかれる。
最初は手ぶれやピンボケ等がひどいように感じて観ていて疲れるなと思っていたが、凄惨なシーンをピンボケ・手ぶれにする事によってサウロの閉ざした心を表現しているのかと思うと、凄く集中して見れるようになる。
ユダヤ人達が最初のガス室へ送り込まれるまで、送り込まれた後のシーンは本当に胸が苦しくなる。
ガス室の中の同胞の叫び声を聞かされるゾンダーコマンドの人達。
そのあと、無言でガス室の清掃をおこなう。
ユダヤ人の死体は部品と呼ばれてものとして扱われ、最後は灰にされて川へ流される。
生きていたユダヤ人が灰になるまでの、全ての工程をゾンダーコマンドのユダヤ人たちがおこなっている。
悲惨としか言いようがない灰色の世界だ。
世界は灰色のまま、映画は終わる。
人はどこまで残酷になることができるのか。
簡単なことは言えない。
差別は恐ろしい。
差別的な人間は好きではないし、差別をしたいと思わない。
人間は生まれながらにして不公平ではあると思うが、不平等
ではなく、全ての人は人生に対して価値ある意味を享受する権利を持っていると個人的には考えている。
差別はなくならないって誰かが言っていたが、世界の距離がどんどん近くなっている中では民族に対しての差別意識は無駄でしかないとおもう。
世の中に必要なのはLOVE&PEACEなのだ。
やっぱりボブマーリーは最高だ。